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秩父・前原家 「王紗絞り」のドレス

秋の新作ドレスのご紹介です。

 

 

秩父の織物といえば、「秩父銘仙」が有名ですが、

今回当工房が製作させて頂いた生地は

女三代でその歴史を受け継ぐ前原家の

「王紗絞り(おうしゃしぼり)」です。

 

「王紗しぼり」は秩父の黒澤家から始まり、

現在では前原家の嫁、娘、孫の女性3人によって

受け継がれている「前原絞り」の代表的な絞り技法です。

 

前原家の母・娘、前原和子さんと悠子さん。

 

絞りといわれるものは、例外なく、

人の手間が半端なくかかるのが常で、

この王紗しぼりも綿糸の引き締めに

1時間で30センチほどしか進まないとのこと。

また、1反で約4500本もの絞った綿糸を取り除くなど、

根気と忍耐のいる手作業がかかります。

 

蒸しあがった絞り加工中の反物

 

そのような大変な手仕事を前原家の

和子さん、悠子さん母娘は日夜続けておられます。

そして、出来上がる「王紗しぼり」は

繊細でいて優美、上品な光沢を放つ

素晴らしい逸品となり私たちを魅了します。

 

今年始めの打ち合わせ会にて。

 

最初に私がこの王紗絞りを拝見したのは

かれこれ20年ほど前、ご一緒した展示会でのことでした。

その色合いと絞りの印影の上品さはその後も

ずっと、私の記憶の中で生き続けていました。

 

今回ご縁があって、再び王紗絞りを手に取り

その素晴らしさに感動するだけでなく、

この生地を用いてドレスを製作してみよう、ということになり、

思い切って扱わせて頂くことになりました。

 

 

デザインは後藤先生、パターンは斎藤先生に

出来るだけこの反物の風合い、特徴を活かすようにとご相談し

絞りの凹凸が作る印影を縦地、横地に振り分けたところに

その面白さが出たように思います。

 

 

色が淡いパープルグレイなので本当に上品で、

まるで皇室の方のお召し物のようです。

結婚式やパーティーなど格式の高いフォーマルウェアとしても

お召しいただけるかと思います。

 

近年、カジュアル化の波で当工房も木綿の商品が多いのですが、

やはり元々の本家、絹の反物から作るものは気合が入ります。

麻生地での試作を経て出来上がったドレスは

まさに手工芸の真髄を纏う贅沢な逸品となりました。

 

谷喜和子さんの友禅染の草木染ストールと合わせて

 

是非、店頭にてご覧いただき、伝統工芸の素晴らしさに

触れて頂きたいと思います。

 

(同生地は1点ドレス分のみ在庫がございます。)

 

 

☆「王紗しぼり」の技法

 

ー「平縫い引き締め絞り」といわれる技法で、

白生地に一定の間隔で糸を織り込んで、

その糸を引き締め日だをよせていきます。

これにより、波のような独特の凹凸が

生まれていきます。

これは初代が考案した独自の技法で、

この絞りの特徴でもあり、

人の手で縫い込んだものより

繊細で優美な絞りが出来上がります。ー

 


 

 

| 工房 徳元(TOKUGEN)ショールーム | 19:17 | comments(0) | - |
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